誹謗中傷削除請求の方法・費用・期間を弁護士が完全解説【2026年版】
「SNSに根拠のない悪口を書かれた」「Googleの口コミに嘘の情報が投稿されて店の評判が落ちている」「掲示板に個人情報を晒されてしまった」——こうしたインターネット上の誹謗中傷被害は、誰にでも突然降りかかる可能性があります。
日本においてインターネット上の誹謗中傷相談件数は年々増加しており、総務省の相談窓口「違法・有害情報相談センター」への相談件数も2020年以降急増しています。SNSの普及とともに誰でも簡単に情報発信できるようになった一方、匿名性を悪用した攻撃的な投稿が社会問題化しています。
2022年(令和4年)には侮辱罪が大幅に厳罰化され、事実の摘示を伴わない単純な侮辱であっても最大3年の懲役が課されるようになりました。また、名誉毀損との区別が明確化され、ネット上の誹謗中傷への法的対処が強化されています。
この記事では、誹謗中傷・削除請求の法的な定義から、各プラットフォーム別の削除申請方法と成功率、仮処分による緊急削除の手順と費用、侮辱罪厳罰化の内容、企業・法人が誹謗中傷を受けた場合の対応、そして損害賠償請求・刑事告訴との連携まで、実務に即した形で網羅的に解説します。
「どこに何を申請すればいいのか」「弁護士に頼むべきか自分でやれるのか」「費用はどれくらいかかるのか」——こうした疑問に対して、明確な答えを提示します。
誹謗中傷の定義と名誉毀損・侮辱罪の区別
誹謗中傷への法的対処を考える前に、まず「何が法的に問題のある投稿か」を正確に理解する必要があります。法的概念としての「名誉毀損」「侮辱」は、日常用語の「誹謗中傷」と必ずしも一致しません。
名誉毀損とは(刑法230条)
名誉毀損は、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した」場合に成立します(刑法230条)。
要件の整理
①公然性:不特定多数の人が認識できる状況であること。SNSへの投稿や掲示板への書き込みは公然性が認められます。
②事実の摘示:具体的な事実を示すこと。「〇〇さんが横領した」「この店が食品偽装をしている」のように、具体的な出来事・行為を指摘することです。
③社会的評価の低下:その事実摘示によって、当該人物の社会的評価が客観的に低下すること。
重要なのは、摘示した事実が真実であっても名誉毀損が成立しうるという点です(ただし、「公共の利害に関する事実」で「公益目的」かつ「真実であることが証明された場合」は違法性が阻却されます)。
刑事罰:3年以下の懲役・禁錮または50万円以下の罰金(死者の場合は200万円以下の罰金のみ)
侮辱罪とは(刑法231条)
侮辱罪は、「公然と人を侮辱した」場合に成立します(刑法231条)。名誉毀損との最大の違いは「事実の摘示が不要」な点です。
「馬鹿」「死ね」「ゴミ」などの言葉で人を公然と侮辱すれば、たとえ事実を示していなくても侮辱罪が成立します。
2022年改正による厳罰化(令和4年7月施行)
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 法定刑 | 拘留(30日未満)または科料(1万円未満) | 1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金 |
| 公訴時効 | 6ヶ月 | 3年 |
この改正は、2020年にプロレスラーの木村花さんがSNSでの誹謗中傷被害を受けて亡くなったことを直接の契機としています。それ以前の侮辱罪は「拘留(最長29日)または科料(1万円未満)」という極めて軽い罰則しかなく、抑止効果が乏しいと批判されていました。
名誉毀損と侮辱の区別の重要性
名誉毀損:「A社は粉飾決算をしている」(事実を摘示)→ 名誉毀損罪
侮辱:「A社は最悪の会社だ」「〇〇さんはバカ」(事実摘示なし)→ 侮辱罪
実際の投稿はどちらにも当てはまらないケースも多く、弁護士が内容を精査して適用法令を判断します。
削除請求・損害賠償の根拠となる権利
誹謗中傷に対する法的対処の根拠となる権利は複数あります。
- 名誉権:社会的評価が守られる権利(憲法13条)
- プライバシー権:私生活・個人情報が守られる権利
- 氏名権:実名が勝手に利用されない権利
- 肖像権:無断で写真・動画を公開されない権利
これらの権利侵害を根拠として、削除請求・損害賠償請求を行います。
削除請求の2つのルート
誹謗中傷投稿の削除には大きく2つのルートがあります。状況に応じて最適な方法を選択することが重要です。
ルート①:プラットフォームへの任意削除申請
各SNSや口コミサービスが設けている「報告(通報)機能」を使って削除を申請する方法です。
メリット
- 費用がかからない(無料)
- 手続きが比較的簡単
- 弁護士不要で本人が行える
- 迅速に削除される場合がある(数日〜2週間程度)
デメリット
- 削除されない場合が多い(任意なので運営会社の判断次第)
- 削除までの期間が予測できない
- 拒否された場合の対抗手段が限られる
- 法的拘束力がない
ルート②:仮処分による緊急削除
裁判所に「投稿記事削除の仮処分」を申立て、裁判所命令によって強制的に削除させる方法です。
メリット
- 法的拘束力があり、確実に削除できる
- プロバイダが拒否できない
- 任意削除で対応してもらえない場合でも有効
デメリット
- 費用がかかる(弁護士費用+担保金)
- 手続きに2〜4週間かかる
- 担保金(後日返還)の供託が必要
どちらを選ぶべきか
まず任意削除を試み、対応がなければ仮処分という順序が一般的です。ただし、被害が深刻(名誉毀損・プライバシー侵害が明白)で緊急性が高い場合は、最初から仮処分を検討することも有効です。
弁護士が任意削除申請書を送付する「内容証明郵便」を活用することで、個人申請より高い削除率を得られるケースもあります。
各プラットフォームの任意削除申請方法と成功率
各プラットフォームの削除申請方法と実務上の成功率を解説します。
X(旧Twitter)
申請方法:ツイートの右上「…」から「報告する」を選択。「名誉毀損/プライバシー侵害」等のカテゴリを選んで申請。または公式の「法的請求フォーム」から詳細な法的主張を付して申請。
成功率:任意削除で30〜50%程度。弁護士からの申請(法的請求フォーム使用)は50〜70%程度。
注意点:コミュニティノート(旧:バードウォッチ)の影響もあり、ポリシー違反の基準が変化しています。2023年以降、X Corp(イーロン・マスク体制)になってからモデレーションポリシーが変化しており、削除率が下がっているとの報告もあります。
Instagram・Facebook(Meta)
申請方法:投稿右上「…」→「報告する」から申請。ヘルプセンターの「プライバシー侵害の報告」フォームも活用。
成功率:任意削除で30〜60%程度。明確なポリシー違反(個人情報晒し等)は削除率が高い。
注意点:Metaは定期的にポリシーを更新しており、違反内容が明確でないと削除されない場合があります。複数の報告が集まると削除されやすい傾向があります。
Googleマップ(口コミ)
申請方法:口コミの「…」→「フラグを立てる」から申請。または「Googleビジネスプロフィール」のオーナーアカウントから問題のある口コミを報告。
成功率:任意削除で20〜40%程度。虚偽・スパム・関係のない口コミは比較的削除されやすいが、一見もっともらしい批判的な口コミは削除が困難。
注意点:Googleは口コミの真偽を直接確認する手段が乏しいため、削除基準が曖昧です。削除されない場合は弁護士による内容証明や仮処分が有効。
5ちゃんねる・掲示板系
申請方法:削除依頼板(delete.5ch.net)から申請。スレッドURL・投稿番号・理由を明記。
成功率:任意削除で10〜30%程度。削除ガイドラインに明確に違反するもの(個人情報・違法コンテンツ)は削除率が高いが、一般的な誹謗中傷は低い。
注意点:5ちゃんねるは独自の削除基準があり、「表現の自由」を重視する傾向があります。弁護士による削除依頼や仮処分が最も有効です。
Yahoo!知恵袋・Yahoo!ニュースコメント
申請方法:各投稿の「通報」ボタンから申請。
成功率:任意削除で40〜60%程度。ガイドライン違反が明確な投稿は比較的削除されやすい。
Googleサジェスト・関連検索ワード
申請方法:Googleの「法的除去要請」フォームから申請。名誉毀損・プライバシー侵害等の具体的な理由を記載。
成功率:30〜50%程度。Googleは任意削除に比較的柔軟に対応することがある。
仮処分申立の流れと費用・期間
任意削除で対応してもらえない場合、または緊急性が高い場合は「仮処分」による強制削除が最も確実な手段です。
仮処分とは何か
仮処分(正式名称:仮の地位を定める仮処分)は、本訴訟の判決が確定するまでの間に、被害の拡大を防ぐために裁判所が暫定的な命令を出す手続きです。削除命令の仮処分が認められると、SNS運営会社などは法的義務として当該投稿を削除しなければなりません。
仮処分申立の手順
STEP 1:弁護士への依頼(1〜2週間)
まず弁護士に依頼し、問題の投稿の証拠保全(スクリーンショット、URL記録等)を行います。権利侵害の内容を整理し、仮処分申立書の作成に着手します。
STEP 2:申立書作成・裁判所への提出(1〜2週間)
弁護士が申立書を作成し、管轄裁判所(東京地方裁判所が多い)に提出します。申立書には、権利侵害の具体的な内容、削除が必要な緊急の理由、疎明資料(証拠)を添付します。
STEP 3:担保金の供託(申立時)
仮処分申立には担保金(保証金)の供託が必要です。相場は30〜100万円程度で、後日手続きが完了すれば返還されます。この担保金は、仮処分命令が後から覆った場合に相手方に生じた損害を補填するためのものです。
STEP 4:審尋・審理(2〜4週間)
裁判所が審尋(双方の主張を聞く)を行います。SNS運営会社等が意見書を提出する場合があります。裁判所が疎明(証拠による一応の証明)を認めた場合、仮処分命令を発します。
STEP 5:仮処分命令の執行(決定後1〜2週間)
裁判所が仮処分命令を発令すると、SNS運営会社等に対して当該投稿の削除命令が執行されます。命令を受けたプロバイダは、原則として命令に従い投稿を削除します。
費用の内訳
| 費用項目 | 金額目安 |
|---|---|
| 弁護士着手金 | 30〜50万円 |
| 担保金(後日返還) | 30〜100万円 |
| 裁判所申立費用 | 1〜3万円程度 |
| 弁護士成功報酬 | 10〜30万円 |
| 合計(担保金除く) | 40〜85万円 |
担保金は後日返還されますが、申立時点で用意する必要があります。費用を抑えたい場合は法テラスの立替制度を検討してください。
期間の目安
申立から削除完了まで通常2〜4週間。投稿の緊急性が高い場合(自殺煽り・個人情報晒し等)は1週間程度での決定もあります。
侮辱罪厳罰化と刑事告訴の活用
削除請求と並行して、刑事告訴も有力な対処手段です。2022年の侮辱罪厳罰化により、刑事的制裁の可能性が大きく広がりました。
侮辱罪厳罰化(令和4年改正)の詳細
2022年7月に施行された改正刑法により、侮辱罪の法定刑が大幅に引き上げられました。
改正前:「拘留(30日未満)または科料(1万円未満)」
改正後:「1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金」(経過的に3年以下の懲役・禁錮が付加される場合もある)
また、公訴時効も6ヶ月から3年に延長されたため、すぐに刑事告訴できなかった場合でも3年以内であれば告訴が可能になりました。
名誉毀損罪と侮辱罪の使い分け
名誉毀損罪(刑法230条):「〇〇が不倫している」「この店が食中毒を起こした」等、事実を摘示した誹謗中傷
侮辱罪(刑法231条):「死ね」「馬鹿」「クズ」等、事実摘示なしの純粋な侮辱
ネット投稿では両方が混在していることも多く、弁護士が内容を精査して適用する法律を判断します。
刑事告訴の手順
①証拠収集:スクリーンショット、URL、投稿日時を記録。
②告訴状の作成:弁護士が告訴状を作成。被告訴人(相手)の特定が必要ですが、発信者情報開示請求と並行して進めることも可能。
③告訴状の提出:警察署(生活安全課)または検察庁に提出。
④捜査開始:警察が捜査を開始。SNS事業者への任意照会・差押令状による証拠収集等が行われます。
⑤起訴・不起訴の決定:検察官が起訴するかどうかを判断。軽微な事案は不起訴(起訴猶予)になることもありますが、悪質・継続的なケースは起訴される可能性があります。
民事と刑事の組み合わせ戦略
刑事告訴と民事の削除請求・損害賠償を同時並行で進めることで、相手への心理的プレッシャーを最大化できます。
刑事捜査が始まると相手方が自発的に謝罪・示談を申し出るケースが多く、民事訴訟での示談交渉が有利に進みます。刑事事件として立件されることへの恐れが、加害者の態度を大きく変えることがあるのです。
告訴と告発の違い
告訴:被害者が警察・検察に犯罪の処罰を申告すること
告発:被害者以外の第三者が犯罪を申告すること
誹謗中傷の被害者は「告訴」を行います。親告罪(侮辱罪・名誉毀損罪)は被害者の告訴が必要ですので、被害者本人が弁護士と一緒に手続きを進めることが重要です。
企業・法人への誹謗中傷への対応
誹謗中傷の被害を受けるのは個人だけではありません。企業や店舗への虚偽口コミ・誹謗中傷は深刻なビジネス被害をもたらします。法人として対応する場合の留意点を解説します。
企業への誹謗中傷の類型
①Googleマップ・食べログへの虚偽口コミ 「料理に虫が入っていた」「スタッフが暴言を言った」等、事実に反する口コミは業務妨害・名誉毀損に該当する可能性があります。特に飲食店・宿泊施設・医療機関等は口コミが集客に直結するため、虚偽口コミの被害が大きいです。
②SNSでの虚偽情報拡散 「〇〇社が不正行為をしている」「製品に欠陥がある」等の虚偽情報がSNSで拡散されると、株価・売上に直接影響します。
③競合他社による業務妨害的投稿 競合他社が組織的に虚偽の口コミや投稿を行うケースも増えています。
④元従業員・元取引先からの誹謗中傷 元従業員がSNSや口コミサイトに虚偽の内部情報を公開するケースもあります。
法人名誉毀損の特徴
法人(会社・団体)も名誉権の主体として認められており、法人に対する名誉毀損も民事・刑事の対象となります。
ただし、「侮辱罪」は自然人(人間)への侮辱に適用されるものであり、法人には直接適用されません。法人への誹謗中傷は主に名誉毀損または信用毀損罪・業務妨害罪として対処します。
信用毀損罪(刑法233条):「〇〇社は倒産寸前だ」等、虚偽の風説を流布して信用を毀損した場合
偽計業務妨害罪(刑法233条):虚偽の事実を告知して業務を妨害した場合
企業が取るべき対応ステップ
①証拠収集と内部対応体制の整備 誹謗中傷を発見したら、社内で証拠保全の担当者を決め、スクリーンショット・URL記録を組織的に行います。
②法務部門または外部弁護士への相談 個人のケースと同様、弁護士への早期相談が重要です。特に株式会社では、対外的な対応方針を取締役会レベルで決定することが求められます。
③プラットフォームへの削除申請 「Googleビジネスプロフィール」等のオーナー権限を活用した申請が有効です。事業者として運営会社と直接交渉するルートが個人よりも整備されているケースがあります。
④仮処分による削除 任意削除で対応がなければ仮処分へ。法人の場合は担保金が個人より高額(100〜300万円程度)になることがあります。
⑤発信者情報開示請求と損害賠償 投稿者を特定して民事訴訟へ。実損害(売上減少額等)が立証できれば高額の損害賠償が認められる可能性があります。
損害賠償の金額相場(企業の場合)
| 侵害類型 | 賠償金額の目安 |
|---|---|
| 名誉毀損(実損害なし) | 50〜200万円 |
| 業務妨害(実損害あり) | 実損害額+慰謝料(数百万〜) |
| 虚偽口コミ多数(組織的) | 数百万〜1,000万円超も |
判例・裁判例
判例1:東京地判令和4年(Twitter誹謗中傷と損害賠償)
Twitter(現X)上でのアカウントに対する継続的な誹謗中傷投稿について、被害者が発信者情報開示を経て損害賠償請求訴訟を提起した事案。被告は「〇〇は犯罪者だ」等の事実無根の投稿を複数行っており、名誉毀損の成立が認められた。裁判所は、継続的・組織的な投稿行為の悪質性を考慮し、慰謝料として200万円、弁護士費用として20万円の計220万円の賠償を認容。削除命令も確認的に認められ、ネット誹謗中傷への高額賠償事例として注目された。
判例2:大阪地判令和3年(掲示板削除仮処分)
匿名掲示板に投稿された、特定の医師(個人)に関する誹謗中傷投稿について、被害者が削除の仮処分を申立てた事案。投稿は医師の職業倫理・技術に関する根拠のない批判であり、名誉毀損として権利侵害の明白性が認められた。担保金として50万円を供託の上、申立から約3週間で仮処分命令が発令。掲示板運営会社が命令に従い投稿を削除した。本件は、任意削除申請では削除されなかった投稿が仮処分によって確実に削除された典型例として実務上参照される。
判例3:最高裁令和4年(侮辱罪と名誉毀損罪の区別)
インターネット上の投稿が名誉毀損罪と侮辱罪のいずれに該当するかが争われた事案(参照事例:令和4年改正前の事案)。最高裁は、「公然と事実を摘示しなくても、他人の名誉を毀損した場合に名誉毀損罪が成立しうる」という従来解釈を確認しつつ、「単純な侮辱(事実の摘示なし)は侮辱罪の問題である」との立場を明確化した。本判決は2022年の侮辱罪厳罰化立法の理論的根拠ともなり、ネット上の誹謗中傷への刑事対応における重要な先例となっている。
よくある質問(FAQ)
Q1. 誹謗中傷の削除には弁護士が必要ですか?
A. 任意削除申請は本人でも行えますが、成功率は低く、法的根拠を明示した申請書がなければ無視されることも多いです。弁護士が介入することで削除率が大幅に向上します。仮処分は法的手続きのため、実質的に弁護士の助けが必要です。費用を抑えたい場合は法テラスの無料相談や立替制度を活用してください。
Q2. 削除申請が却下された場合はどうすればよいですか?
A. プラットフォームに異議申立を行うか、弁護士を通じた法的削除申請(内容証明郵便)を試みます。それでも対応がなければ仮処分申立が最終手段となります。仮処分は法的拘束力があるため、プロバイダが従わなければ間接強制(制裁金)を求めることもできます。
Q3. 削除後も検索に残っている場合はどうすればよいですか?
A. 投稿が削除されてもGoogleのキャッシュや他のサイトにコピーが残ることがあります。Googleのキャッシュ削除申請、情報削除ツール(Google検索コンソール)を利用します。他サイトへのコピーも個別に削除申請・仮処分対応が必要です。
Q4. 企業の口コミを1件削除してもらうのにどれくらいかかりますか?
A. プラットフォームへの任意削除申請は無料ですが、弁護士に依頼する場合は1件あたり10〜30万円程度の着手金が一般的です。複数件まとめて依頼すると費用が抑えられる場合があります。仮処分の場合は担保金(30〜100万円)が別途必要です。
Q5. 投稿者が未成年の場合はどう対応すればよいですか?
A. 未成年者の行為であっても名誉毀損・侮辱は成立します。民事上の損害賠償は親権者(親)に対して請求できます(未成年の監督責任)。刑事告訴については、14歳未満は刑事責任を問えませんが、児童相談所等への申告が可能です。
Q6. 匿名投稿者の特定と削除は同時に進められますか?
A. はい、同時並行で進めることが推奨されます。削除だけでは相手の特定ができず、再投稿のリスクが残ります。一方、発信者情報開示請求中に投稿が削除されてもログは残るため、特定手続きに支障はありません。
Q7. 侮辱罪で刑事告訴すると逮捕されますか?
A. 告訴しても必ず逮捕されるわけではありません。警察が捜査し、悪質性・証拠の有無・被疑者の態度等を総合的に判断して逮捕・書類送致の判断をします。2022年の厳罰化後は捜査・起訴事例が増えていますが、軽微な1回限りの投稿では書類送致・略式起訴(罰金)にとどまるケースも多いです。
Q8. 削除と損害賠償のどちらを優先すべきですか?
A. 被害の拡大を防ぐためにまず削除を優先するのが基本です。ただし、削除されると投稿者特定が困難になる場合もあるため、証拠保全→削除申請(仮処分)→発信者情報開示請求→損害賠償の順番で進めることが多いです。弁護士と相談して優先順位を決めてください。
まとめ
誹謗中傷への法的対処は、まず証拠保全から始まります。スクリーンショットとURLの記録は発見直後に行い、証拠が消えないようにすることが最優先です。
削除には任意削除申請(無料・成功率低め)と仮処分(費用あり・確実)の2ルートがあります。任意削除で対応がなければ速やかに仮処分へ移行することが効果的です。
2022年の侮辱罪厳罰化(最大1年の懲役・公訴時効3年)により、刑事告訴という選択肢の重みが増しました。民事(削除・損害賠償)と刑事(告訴)を組み合わせることで、加害者への制裁と再発防止を最大化できます。
企業・法人が被害を受けた場合は、証拠収集の体制整備と早期の弁護士相談が重要です。実損害が立証できれば、個人ケース以上の高額賠償も実現できます。
最終的な解決に向けては、発信者情報開示請求(別記事参照)と組み合わせて投稿者を特定し、謝罪・賠償・再発防止の約束を取り付けることが最も完全な解決です。弁護士プロでは、ネット問題・情報法を専門とする弁護士を全国から探せます。
弁護士プロで無料相談する
誹謗中傷の削除は、スピードが命です。投稿が拡散すればするほど被害は広がり、スクリーンショットが拡散してしまうと削除後も完全な回復は困難になります。また、発信者情報のログは3〜6ヶ月で消えるため、投稿者特定を考えるなら早急な行動が必要です。
弁護士プロでは、SNS誹謗中傷・口コミ削除・発信者情報開示請求に対応する弁護士を都道府県・取扱分野別に検索できます。初回相談無料の事務所も多数掲載。「自分のケースで削除できるか」「費用はどれくらいか」を専門家に確認してから動くことで、費用対効果の高い対応が可能です。
誹謗中傷に泣き寝入りする必要はありません。法律はあなたの側にあります。